Not to memories
私は菅さんの家に上がり、
コートを脱いで、菅さんが入れてくれた、
苦いコーヒーをすする。

「今日さおりさんは?」

「今月売上キツイらしい。。」
。。。

「ゆなちゃんさ、この間ごめんね。
気付いてるかもしれないけど、
話せなかったことあるんだ。
。。。
ごめんね。急だったし。。。
話す心の準備できてなくてさ」

「。。。。。」

「。。。ごめんごめんって。今日はちゃんと話すからさ。。
。。。
あのね。
さっきゆなちゃんが見てた児童養護施設。
あそこで、ゆいちゃんは暴力を振るわれてたんだと思う。逃げてきた時、施設で何があったかは、話したくないって言わなかったけど、
腕にタバコで押し当てられたやけどのあとがが腕に何箇所かあったから、暴力振るわれてるんだろうって察しはついた。

それに、
ゆいちゃんがここに来なくなってから、
施設のことがニュースになって。
施設の子どもが虐待を理由に自殺ってさ。
まさかとは思ったけど、ゆいちゃんだったみたいだし。。。
一応警察も捜査に入ったけど、
結局どーなったのかは、うやむや。。。」

。。。ゆいが、暴力をうけていた。。。

何も知らなかった。。


「ここに住んでる間も暴力をまだ受けていたみたいだった。痛そうにしているのを何度か見たから。」

。。。。
なんで。。。逃げてきたんじゃないの。。
なんでまだ暴力を。。。


「ゆなちゃん大丈夫?」
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