Not to memories
もう!キモたんめーー!
化学室に行き、
ノックをする。。。
あれいない??

ガラガラ

「あのーー。。?」

あれ?いない。。。?
化学室の奥にある準備室に行くと、
キモたんがいた。。

「なんだキモたんいるなら返事ぐらい。。」
えっ。。。
えっと。。。
これは。。。
目の前には、きもたんと綺麗な女性がいる。。
見てはいけない感じでしたかね。。。
後ずさりして、
部屋からでようとしたが。
「飯田?どうした?」

。。。。

「せんせー!ひどいよ。卒業したら、
一緒になれるもんだと思ってたのに。。
大学もちゃんと卒業して、
もう4月から社会人だよ??」

「君のことは
昔も今も生徒としてしか見てない。
何度言ったらわかる?」

。。。
修羅場。。。
えっと。。。どうしよ。。
。。。
出直そうかな。。
それにしてもらあの人大学生なんだ。。。
もっと大人っぽく見える。。
この綺麗な人が。。。
この人がキモたんを
キモ担任にした人。。。

女性が泣き崩れ、
床にしゃがみこんだ。。



。。。

私はなんとなく泣き崩れたこの女性を
椅子に座らせ、近くに置いてあった
ティッシュボックスを置いた。

「先生は。。。どうして私のこと助けたの?
少しは好意があったからじゃないの?
今は違うとしても、
本当に生徒としてしか見てなかった?
女性としてみてくれてはなかった?」

「一度だって女として見たことはない。
生徒は生徒。変わらない」

「わかった。。もう来ない。
。。。。。。。」

ガチャ。。。
たったった。。

。。。
「失礼いたしました。
こんなとこ見せてしまって。
。。。まさかここに来てるとは。。。」

「キモたん?
本当は好きなんじゃない??さっきの人」

「。。。。好きではない。
ただ特別な生徒ではあったのは事実。。。
。。。。
俺は学生時代、
施設育ちだっていうだけで、
結構ひどいいじめを受けてて、
それを見てみふりして
何もしてくれなかった先生が許せなかった。
だから、
先生になった。
いじめられてるやつ助けたいって。。
それで、いじめられてる彼女を
絶対に救わなきゃいけないって必死だった。
その気持ちが過剰だったのかもしれない。
そのせいで、結局俺自身が彼女を
傷つけた。。。
。。。
今ならわかる。
教師という立場で、
生徒を平等に見ることを怠った。
だから。。。」

「。。。。
いじめは無くなったの?」

「一応。。。」

「キモたん。。。
キモたんもいーっぱい苦しんだんだね。
もう十分だよ。。。
それにきっとちゃんといじめてる人、
されてる人、平等に見れてたと思う。。。
まぁ私見てないけど。。でも、
そうじゃなきゃいじめは無くならないよ。
ちゃんといじめてた人と向き合えた証拠。
。。。
そうじゃなくて、
彼女苦しんでるのは失恋だよ?
ちゃんと彼女が
キモたんに恋をしていること、
認めて向き合ってあげて?
そしてちゃんと答えてあげて。
イエスでもノーでも。
今度また会えたら。ちゃんと。。。」

「。。。。。飯田。。。。」

「え?」

「そーやって優しくすんのは、
好きな人だけにしなさい。」

「???」

「人ってのは、
自分以外の1人分しか幸せにする能力はない。
だから、
どーでもいい人に簡単に優しくしないこと。」


「どーでもよくないよ。キモたんは」

「俺が惚れたらどうするんですか?」

「ぶっ。。ありえない。
それに私が勘違いすることもない。
ねっ?これっていいね!
キモたん!よろしくー」

「こら!!生徒は生徒。」

「わかってる。でも、私にとったら、
キモたんは教師である前に
一人の人間だから。」

「。。。。ったく。はぁ。
あっで?何の用だったんですか??」

「あっこれ!!
なんで参加にまるついてんの?」

「大学受験するなら受けた方が。。
それに予備校行かないと思いまして。。。」

「受験はするけど、
行くと決まったわけじゃないし」

「。。。この授業受けたら、
美味いもん食べさせてあげますが??」

「ほんと??じゃあ行く!って
そこまでして受けさせたいの?」

「大学合格率あげるために
俺が存在してるから。。。」

「はいはい。わかった。
キモたんの授業なんだよね?」

「そうです。何か問題あるんですか?」

「ないない。」

「じゃあ早く帰りなさい」
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