Not to memories
「ごめんな。待った??」

「早く着いただけ」

「ありがとな電話。」

「。。。遅くなって。ごめん」

「遅かったのはこっち。悪かった。
。。。
懐かしいなぁここ。今でも覚えてる。
ゆなが初めて声をかけてくれたこと。
。。
。。
まだあんなに小さかったのに、
もう達観しちゃっててさ。。。

もう友達なんかおれらにはできないんだって。
思ってたのによ。
ゆなが現れて、
180度見る世界が変わった。
俺らにも話してくれる人いるんだってな。」

「。。。。
大げさ。それに違う。話してくれるとか、
そんな上から目線。。ありえない。
私は単純に最初はいじ悪言う人きらいだから、
やっつけただけで、単純に、
二人と話したかった。一緒にいたかった
それだけだよ?」


「わかってる。
ゆなはそういうやつだってこと。
ゆいだって俺だって。
わかってるよ。
本当に嬉しかったんだ。
ゆなっていう存在が現れてくれたことが」

「。。。私もだよ。。
その気持ちは今でも変わらない。。
ごめん。。
やっぱりちゃんと話せない。。
涙が。。。出てきて。。。
ごめん。。」

「大丈夫。ゆっくりでいい。
ちゃんと聞く。俺もちゃんと話すから」

。。。。。。
隣にいるゆうの顔を見ることはできない。
きっと見たら私は壊れてしまう。
ゆうもそれを察してくれている。。
変わらない。
ゆうはいつでも優しいお兄ちゃん。
。。。
。。。
ちゃんと聞かなくちゃ。。。
「ゆうにゆいのお墓であった日。
ちゃんと向き合うって決めたの。
だから、教えて。
ゆいのこと。。。
ゆうが知ってること。。
。。。。
ゆいが、暴力振るわれてたって本当?」

「。。うん。」

「誰に?!どーして?なんで。。
なにがあったの?」

「。。。。。落ち着いて。。
。。。。
うちらさ、ばあちゃんが死んで、
誰も身内がいなくなって、
俺らが施設に入ったのは知ってるよな?
。。。
入ってすぐ、施設の奴らはみんないいやつで、
同い年ぐらいのやつも何人かいたし、
ばあちゃんが死んだのは
辛かったけど、
その代わりたくさん友達ができて、
楽しかった。
。。。
いつも施設の中は
いつもにぎやかで、
ワイワイしてるのに、、
月に一度、
市役所から来る保健センターの男が
来る日は、どんよりしてた。
そいつが来る日だけは、
施設の子供達だけじゃなくて、
職員のやつらも顔がこわばってて。。

最初はただ市役所のお偉いさんが
見回りにきてるから
緊張感があるだけだって思ってた。

だけど。。。
俺らが入ってから半年ぐらい経ったとき、
ゆいが夕ご飯からいなくて、
もいないことがあった。
ゆいがいなくなった昼間、
あいつがきてて、、、
。。。。
その次の月、あいつが来ると
ゆいの様子が明らかにおかしくなった。
しかもまた
その日の夜からまたゆいが消えて。。。」
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