Not to memories
「ゆいに聞いても答えないから
あいつに聞いたんだ。
そしたら、
俺を車に放り込んで、
運転しながらゆいが
何してるか体験してこいって。
何分か車で移動した後
高層マンションの最上階に連れて行かれた。
部屋に通されると。。。
。。。
逃げようとした。
だけど、
お前が頑張れば妹に手を出さないって。。
。。。。」

「。。。」

「でもある日俺は逃げ出した。。。
そこからも、、、施設からも。。。」

「。。。ゆうはどこにいたの?」

「俺は。。。組の連中のとこ。。
。。。
俺最低だろ。
ゆい置いて。。。
代わりにゆいが。。。
わかってながら。。。」

「ちがう。最低じゃない!
ゆう!そんなこと思ったらいけない!
ちがうから!
最低なのは、そいつと暴力を振るってた奴ら。
ゆうじゃない!
絶対ちがうから!!
。。。。
。。。。どうして、
二人は私に言ってくれなかったの?
会ってたのに!なんで?」

「俺は。。ゆなを巻き込みたくなかった。
正義感が強いゆなは絶対に放って置けないから。。。
。。。。でも、、、
俺が施設から逃げたあと、ゆいのことを思うと、どうしたらいいか。。。わからなくて。。
何度もゆなに相談しようと思った。
けど、、ゆなに言うことは、
俺が逃げ出した事実を伝えることになる。。
。。。ゆなに言えなかった。
逃げ出したなんて。。。
。。。ゆいを置いて。。
ゆいの身にひどいことが起こるってわかってるのに。。。逃げ出したなんて。。
ごめん。
ゆな」

。。。。
「ひどいなんて思うわけない!
。。。
。。。。」

「もし、ゆなだったら。
絶対に俺みたいに逃げ出したりしない。
何があったって、
ゆいを身代わりになんてしない。
。。。
自分がどれだけ最低か。。
ゆなが思わなくても、
俺自身が一番わかってるから。。」

。。。。
。。。。。

私も一緒だ。。
ゆうに言えてないことがある。
それは。。
言い訳しようもないぐらい
自分が最低なことを
誰よりも知っているから。。
そして、
ゆうだけには嫌われたくないと
思ってるから。。。

。。。。

「私はどんなことがあっても、
ゆうを嫌いになんてならない。
もし、
。。。
ゆうが私のこと
嫌いになったとしたって。
。。。
絶対に!」

「。。。俺だって。。
ほんとの家族ってなんだかわかんないけど、
今も昔も、ゆなは家族だから。
変わらない。」

「うん。。。。
。。。
。。。。
もしかして、
ゆうを変なところに連れ出した人って、
赤い車に乗った人?」

「うん。赤いスポーツカーみたいな車。
いかにも高級車って感じだったな。」

「やっぱり。。。」
繋がった。菅さんが言っていた人と
キャバで羽振りのいい人と
同一人物である可能性は高い。。。

「ゆうが施設を出て行ったのって、
ゆいが中学入る前だよね?
。。。
ゆいが中学入ってからすぐ
施設から逃げ出して、菅さんって人の家に
住んでたことは知ってる?」
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