Not to memories
お母さんが帰ったあと、
ようやく薬が効き始めて、
背中の痛みがなくなった。

動ける!!

薬ってすごいな。。

病院を散策しようと
廊下に出てみると、
キモたんがすわって、
プリントに赤ペンで丸をつけていた。。

「きもたん。。本当にここにいるつもり?」

「まだ狙われてたらどーすんだ?」

「ぶっ。。ないない。大丈夫だから。」

「こら。飯田がなんと言おうとだめだ」

「。。。。わかったよ。。
じゃあ聞いてくれる?」

「なんだ?」

「あっ。。眼鏡つけてるのに、口調がきもたんだ。。。」

「今日は余裕ないんだ。悪いけど。。」

「ごめんね。キモたん。。。一応眼鏡はずして?ちゃんと話したいから。。。」

キモたんは眼鏡を外し、
私の目を見た。。。

。。。
なんかそこまでじっと見られると恥ずかしい。

「。。。なんだ?」

「。。。考えたんだけど、キモたんには全部話す。でも。。それはキモたんが私のことなんとなく理解してくれると思うからだから。。
。。。
それに先生としてキモたんが
やってけなくならないようにしたい。」

「あのな。俺のことはいい。
別に教師やめたからって、
死にゃしない」

「だめだよ。キモたんはこれからもずっと
教師でいて欲しいんだもん。。。」

「。。。はいはい。わかったから。」


「あのね、刺された時、声を聞いたの。
泣いてたの。。ごめんごめんって。
。。。
刺したこと、後悔してたんだと思う。
きっと学校に電話してくれたのも、
同じ人。。。
。。」

「。。。誰が刺したかは
言わないつもりだな?」

「声しか聞いてないから。。
顔見たわけじゃないし。。。

ただ、私のこと知ってる人だよ。
飯田さんっていってたから」


「。。。。ブレスレットのやつとは?」

「同じかどうかはわからない。。
でもまさとも佐藤くんも。。
嫌がらせにあってて。。でも2人の嫌がらせは、
私と話すなっていうメールがきたり、
着信がしつこくかったり。。。

まさとのストーカーだって思ってたけど、
もしかしたら私に対して
やってたのかもしれない。。。」

「。。。で?飯田はどうしたい?」

「刺した人と嫌がらせした人と
ちゃんと向き合いたい。。。」

「。。。向き合ってどうする?」

「なんでか聞きたい。どーしてそんなことしたのかを。。それと謝りたい。。。」

「なんで謝る?」

「刺さなくてはいけない理由って、
きっと私なんかよりずっと辛い思いしたんだと思う。逆に言えば、辛いことをさせてしまったってことだと思う。

だから。。。」

「それは違う。飯田!そこまで考えなくていい!おまえは被害者のんだぞ。もっと簡単に考えろ。全てを背負いこむな。
。。。
。。。。ったく。、そんなこといっても無駄か。。。」

「。。ごめんなさい。でもありがと。」
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