Not to memories
「さぁ。そうと決まったら、行こうか」
伊達さんは私をお姫様抱っこして、
窓から出ようとしている。。


「え?なに?」


「どうせゆなちゃん授業さぼってるみたいだし。僕についてきて。」


。。。

え。。。

嫌だというのもめんどくさくなり、
そのまま車に乗せられた。。。


「あのさ、今更だけど保健の先生いーの?」


「あーあの子?悪いけどゆなちゃんに会ってしまったら、どうでもいいので。
さよならです。」

運転手付きのハイヤーに乗り、
どこかに連れて行かれる。。。

。。。


着いたのは高層マンションの駐車場。。

伊達さんの家?

「あっここで待ってて。」

伊達さんはハイヤーから降り、マンションの中へと消えていった。。

。。。
なんか取りに行ったのかな。。。


「運転手さんは伊達さんの専属の運転手さん何ですか?」

「はい。。もう長年やらせていただいてます」


へぇ。。

「会社ではどんな方なんですか?」


「私は運転手ですので、社内のことは。。」


「そっか。」

「ただ、純粋で真面目な方だと思います」


「。。。純粋ね」

純粋が故、
彼を拗らせてしまったのかもしれないな。

ガチャン。


運転手が扉を開ける。。

戻ってきたのか。

「ごめんね待たせて。はいこれ」

紙?
あっ。。私の写真。。1日の行動まで。。。


「これって。。?」


「ゆなちゃんを探偵に張らせてた時のデータ。
ゆいって名乗ってキャバで働いてたから、
身近にいないか探したら、
施設育ちの自殺したゆいって子がヒットした。
それから、僕興味湧いちゃって。
ゆいちゃんについて調べたのよ。」


「なんで興味わくの?」


「え?僕はさ、一応性犯罪者だからね。
体にアザだらけ、自殺前には誰かに犯された形跡まであって、正直ゆなちゃんが見てなかったら自殺とは断定しにくかったっていう事件だった。
もちろん自殺と断定されたあとでも、
施設の中で
日常的に暴力が振るわれてたのではないかと
疑われて騒がれてた。
。。。
ほら、僕の得意分野でしょ?
僕のお仲間がそこに入るのかと興味深々でね。
襲えそうな可愛い子なんていくらでもいそうだからね」


。。。。

ツッコむのはやめておこう。。。


「で?誰が暴力を振るってた?」
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