Not to memories
いつも通り大学受験クラスを終え、
帰宅しようとしたら、キモ担任に呼び止められ、化学室に来るよう言われた。
初めてこいつに声をかけられた気がする。
だが呼ばれるような覚えはない。
しかもなぜか、いつもの担任のようなキモさがなかったような気がした。気のせいだろうか。

「おいお前なんかしたのか?」
佐藤にも俺が呼ばれた理由が見当たらないらしい。
当たり前か。そういえばゆなは、よくキモ担任に呼ばれてたよな。。

「。。なんかよくわかんねぇけど、行ってくる。先帰ってて」


ガラガラがら

せんせー。滝口ですが。。
化学室の奥からキモ担任がでてきた。。

あっ。。

思わず声を出してしまった。キモ担任からキモさがなくなっている。メガネがないせいでこんなにも人って変わんのか??相変わらず頭もじゃもじゃだけど、男から見てもカッケーし。。。


「そこ座れ」

いつものオドオドした態度ではなく、言葉遣いまで。。。こいつなんなんだ。。まさか双子?な訳ねぇか。でも。。わけわかんねぇ。そーゆーとこはキモいな。

「ほれ。これ、飯田に持ってけ」

「は?」

大学の過去問?中を見ると、キモ担任仕様になってる。。。すげーな本当。。キモいがこーゆーとこは尊敬できる。。。

「それだけ。じゃ気をつけて帰れよ」

「。。。あー。」

なんだ?あいつ。。キモいしゃべり方してねぇし。。

「っておい!なんで。。」


「心配なんだろ?飯田のこと。」

。。。
なんなんだ。。ほんと。。こいつ。。

「ほらいけ。暗くなんだろ?」

「はっはい。」


よくワカンねぇけど、あいつゆなと話すきっかけをくれたつもりなのか。。。。。。?


。。。。

いくか。ゆなの家。。
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