Not to memories
俺たちは喫茶店を出て、電車に乗り、
名橋駅で降り、ゆなの家に向かう。

その途中、ゆなは声を発さない。
このまま家に行きおばさんがいたら、
何も話せない。今、今、
そう思い声を出そうとしても
何を話せば良いのか。

でもな。。

このままではいけない


「ゆな?」

スタスタと前を歩くゆなに声をかけると、
やなは振り向くこのなく声を出した。

「ん?」

その声はどこか弱々しい。

「ゆな。。」

なんて言ったらいい。俺は

「今日ありがとう。
ゆいがどうしてあんな男に暴力受けてたのか。
どうして自殺したのか。
ようやくわかった。。。
。。。
もう。全部わかった。
あとは、私が受け止める。
それだけだね。
あはは。
なんだろね。なんか終わったのに
スッキリしなくって。。」


それは、真実を受け止められていないからなのか。もともとスッキリするものではないのではないか。。それでも。。。

「受け止めるには時間がかかるかもしれない。
けど、ずっと俺はそばにいるから。
ゆなは一人じゃない。」

一人には絶対にさせない。


「ありがと。まさとは優しいなー。本当に。
。。。
でも。。。
私はあのバカ息子の行為を止めないといけない気がする。。。
そうじゃないと。。」

「だめだ!!なんで。。。」
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