Not to memories




2年後。

私は医学生になって忙しい日々を送っている。
今まで怠けていたのもあるけど、
大学の授業だけでは足らないような気がしていて、暇さえあれば勉強をしている。

親にも迷惑はかけたくない。
そんな気持ちも強く、大学の授業を終えてからと土日祝日は、ペット喫茶でバイトをしている。

ほぼ、家には眠りに帰る状態。

忙しい方が私には合っている。
余計なことを考えなくていいと思っている部分は少なからずはあるのだけれど、
忙しい方が充実した日々に感じるのだ。

ガチャ。

もう10時なのに帰ってきてない。。
期末テストで忙しいのかな??

仕方ない。
近くのスーパーで買ってきた白菜、水菜、長ネギ、えのき、豚肉を袋から取り出し、
包丁で切り、鍋に敷き詰める。
最後にキムチ鍋の素を入れ、
こたつの上に置いたガスコンロに乗せ、
火をつける。

グツグツとするまで、
医学書を読み漁る。

うーん。
これは、、、

あっ!
そっかー。そーゆーことねーー。
うんうん。

「何がそーゆーことだ?」

「ぎゃっ!!
もー帰ってきたなら言ってよねーー!」


「おっ!鍋作ってくれたのか?」

「ごめん急に来て。キモニーご飯食べてないよね?」


「急に来てって。いつも急にしか来ないだろう」

。。。そうなんだけどさ。。気が向いたらここに来ている。
勉強は家よりもここの方がはかどるから。。

バイト終わりに疲れてなければキモニーの家に来ている。。

でも今日はそういうんじゃなくて。。。
ちょっと寂しい気持ちになったからっていうのもある。。

「あっ。ちょうどいい感じだよ鍋!」

「おっキムチ鍋!外寒かったからちょうどいい。」

「今日中間テストだったの?」

「あー。採点やら明日の準備やらで忙しくてな。飯田はもう冬休みだよな?」

「うん。今日から休みでね。でも休みの日も毎日バイト入れてるから!」


「飯田。。。休みぐらいどっか旅行とか行ったりしないのか?学生だろう。もっと青春を謳歌してだな。。」

。。。。

青春か。。
大学での友達は
授業以外で遊んだりはしない。。
バイトの子も。。。

忙しいという言い訳を武器に、
関わらないようにしている。。。

意識してじゃない。。
なんとなくだ。

「ほら、滝口とか矢野とか佐藤とか、小林とか遠藤とか連絡してみろ?」


「もーいつまで言うかなー。もう2年も経ったんだよ?連絡しないって!
みんなそれぞれに忙しい日々を送っているよ。
きっと。。。

んーー。豚キムうまーい!ほら白菜クタクタになってておいしーよ!!」

「。。。うまい」
にやけたキモニーは癒される。

「あ。飯田にお願いがある!」

珍しい。。キモニーがお願いなんて。。。

「なになに???」

「高校に来て2年生向けに、
大学について話して欲しいんだ。
大学は素晴らしい場所だー。是非みんな受験しようーーっていうニュアンスでだな。
うちからも医大いけるやつがいるんだーと思わせるのは、
かなりなインパクトになるはずだ。
頼んだぞ!」

。。。。

「。。。」

「おい!」

学校か。。。
でもな、、、
医大にいけてるのはキモニーのおかげだし。。

大学に行くべきなのは事実だし。。。

「はい!キモニーのために助太刀いたす!」

パチパチ
キモニーが手を叩いている。。。

「頼んだ!」

鍋を食べ終え、片付けようとすると、
飯田は勉強してていいから!っと言って
皿洗いをお願いしてしまった。。
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