Not to memories
土曜日、水族館。
開館と同時に入場。
「ねぇ。キモニー。。いつも思うんだけど、
それって変装してるつもりなの?」
近所以外で私と出かけるときは、
いつもメガネとマスクをしている。。
やめたら?だと言ってもやめない。。。
「水族館だぞ?うちの生徒の一人や二人いてもおかしくないだろ」
生徒に見られたくないのはわかるけどさ。。
「学校でもまだキモくメガネかけてるんでしょ?
その変装逆効果だから。
普段のキモニーはイケメンで、
全く気付かれないから!
ほら、メガネちょうだい!あっマスクも!
外して!
顔見えなくてちゃんと話せないし」
「。。。わかた。。」
よし!
「それに別に見つかったっても
私がフォローするから。」
「はい。。。」
まったくもー。
今日は1日満喫するってきめてるんだから。
そういえば久々だなー。一日中遊ぶのって。
高校生以来かも。。。
「そういえば、キモニーはなんで水族館好きなの?」
「。。。なんでだろうな。わからない。。。
ただ、心が穏やかになる。。。
大した理由がなくすまん」
ぷっ。意外。。でもない。
いつもはなんでも理屈っぽいキモニーも、
独特な価値観があって、
それはなんだか、いつもどこかに暖かさがある気がしている。
キモニーに言ったら殺されそうだが、
心の痛みがわかっているからなのかもしれない。
ん?
クラゲ?
ん?キモニーが逃げている。。。
「なっ!クラゲ見ないの?」
「あっあれはダメだ!クラゲは見てるとイライラする。」
「え?なんで?フワフワしててかわいーじゃん」
「だめだ!ぐちゃ!って潰したくなる!」
「でた!Sっ気。。」
「うるさい!次だ次!!」
暗かった室内から一転。
外に出て今度はペンギン。
ペタペタと歩いている。
「あっ飯田がいる。」
「は?い?」
「飯田ってペンギンに似てるなー。
あーほらこいつそっくりだ!」
??なんかこのセリフ聞き覚えが。。?
「なんだよ。。顔じっと見て。。」
「あっごめん。前にも誰かにペンギンに似てるって言われたなぁって、。。」
あっまさとか。。
懐かしい。前3人できたんだっけーー。
じゃあ水族館は2年ぶり。。
みんな元気にしてるのかなぁ。。。
「あのー。すみませんーー。」
小柄な女の人とカメラを持った男の人。。
??
なに?
「あっびっくりさせてしまってすみません。
あのーこの雑誌にお二人を掲載したいんですけど撮影させてもらってもいいですか?
あっこのページみたいなイメージです。」
??女性向けのファッション雑誌??
「あのー。。お姉さんとても綺麗ですし、
彼氏さんもとっても美形ですしー。
ぜひお願いします!!!」
え??頭下げられても。。。困るな。。
「すみません。私たちカップルじゃないんです。。兄弟なんで。。」
「え??そうなんですか?あっでも兄弟で掲載もオッケーなんでぜひー」
。。。。
めんどくさい。。。
ボコ。
え?キモニーに頭叩かれた??
「飯田断るならちゃんと断れ。
ごめんなさい。俺職業柄こーゆーのは無理なので失礼します。」
キモニーは私の手を引っ張り、
ぶつくさと言っている。。
「ありがとうキモニー。助かりました」
「まったく、あんなんでオドオドしててどーすんだ?」
いや。。びっくりしたんだよー!
カップルに見えるもんなんだ。
「だってさープフフフ。。
うちらカップルだってーーー笑えるじゃん!」