Not to memories
それから、彼女を目で追うようになった。
彼女はあれからほとんど毎日遅刻をしている。
今まで気がつかなかったのも驚きだが、何よりも、あれから二週間ぐらい経つというのに、
飽きずに観察できる俺自身に驚きを感じている。

今日も彼女は遅刻をしてきた。
そして決まって授業が始まる前には教室についている。そんなに定時に遅刻できるのであれば10分前に来れば間に合うというのに、なぜ遅刻をするのだろうか。
そして、休憩時間やお昼は学級委員長の小林さんとよく話をしている。小林さんも同じく真面目キャラ。学級委員長になったのも、みんながやりたくないからと、先生にお願いされて任されていた記憶がある。真面目な小林さんは飯田さんが遅刻をすることに関して疑問に思わないのだろうか。もしくは理由を知っているのだろうか。 なぞだな。。ほんと。。


「おい!まさと!」

「なんだよ!びっくりすんだろーが!」

「まさとくーーん!!お願いーー。今日合コン付き合って!ってか来てくれ!お願い申し上げます」

「は?俺そういうの嫌いなの知ってんだろ」

矢野は二年から同じクラスになって
仲良くなったのだが、いつも女の話ばかりだ。
何度も合コンセッティングして誘ってくる。

仕方なく行く時もあるが、
矢野のようには楽しめない。

女が嫌いではないはずだが、女という生き物は苦手だ。

高校生たるもの女性をたくさん知って経験するべきだ。男たるものそれこそが健全である!と矢野はよく言っている。

矢野の言葉は正しい。女を克服はすべきだと思っているのだが、やはり苦手なものは苦手だ。


「今回の合コンは、お前はがいないと成り立たないんだよーーお願いお願いオネガーイ!まさとちゃまー。頼むよー」

なんなんだ。俺がいないと成り立たないって。

「めんどくせーから、他のやつ誘えよ」

。。。ん?

席に座っていた飯田さんが席を立ち歩き出した。向かう先は、廊下?その先には教室の扉から顔を出している隣のクラスの佐藤がいた。

佐藤とどんな関係なんだろう。
飯田さんが男と話している姿なんて初めて見た。

彼女がどんな顔で話しているのか、どんな会話をしているのか気になる。
ここからは佐藤の笑っている顔しか見えない。


「なぁお願いだから!今日きて!俺の人生かかってから!なっまさとちゃん!これ来てくれたらなんでもするからーーー」

。。飯田さんも笑っているのだろうか。

「分かった。俺ちょっとトイレ」

別にトイレに行きたいわけじゃなかったのだが、廊下に出て二人が話している様子を見るため、トイレに向かった。

通りすがりに、二人の方を見ると、二人はスマホを持ちながら連絡先を交換しているようだった。

飯田さんが笑顔で佐藤と接している。何がきっかけで。。佐藤と話をしているのだろう。

なんか。。。。

なんだ。。この感じ。。。、
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