Not to memories
「ちょっといい?」


なんだろ。。
武田さんが声をかけてくるなんて
初めてのことだ。

いつもニコニコしている武田さんが
怖い表情をしている。
あんまりよくない話をされるんだと感じた。

武田さんに引っ張られ、階段の隅っこへと連れて行かれ、じっと見つめられる。

「え?どうしたの?」

「あのさ。。。飯田さんって、もしかして滝口君と付き合ってるの?」


何を言い出すかと思ったらそんなこと・・・
普通に考えたらありえないことなのに
何で急にいいだすんだろう。。。

「ええええ??私?ありえないです。。」

武田さんの顔は変わらず怖いまんまだ。
でもありえないし。


「今日みたんだから。朝一緒に話してるところ」

朝見られてたんだ・・・。なんと話していいやら・・・。はあ最悪だな。


「今日貧血で遅刻しちゃって・・・。
たまたま滝口くんも遅刻して
たまたま会っただけで、
別に話すってほど話してないよ」


「でも話したでしょ?
滝口くんは女の子とは話さないの!
私、滝口くんと一年の時からクラス一緒だし、
ずっと好きでずっと滝口くんのこと見てきたんだよ。だから知ってるの。」



はあ~。巻き込まれた。さいあくだ。。

なんて言えばいいんだろ。。
もー。

「・・・女じゃないからかな」


・・・・
私何言ってんだ・・・
自分で言って笑える・・・

あれっ
武田さん。。。
泣いている・・?
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