Not to memories
武田さんは一生懸命、
こんな私に謝ろうと努力している。

辛いのは武田さんなのに。

「武田さんって本当に優しい人だね。

でも、私になんか謝らないで。こっちこそ本当にごめんね。何にもしてあげられなくて」



「私、滝口くんにちゃんともう一度聞いてみる」

なんかよくわかんないけど、武田さんはすっきりした顔をしていた。

好きになったり好きになられたり、必ず誰かが傷ついて、嫌な思いをして。失うものばかり。

それでも人は恋をする。
どうして?
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