雨玉
んっ、んっ、と微かな甘い声が静かな公園に響いた。


他でもない、わたしの声だ。


事は進み、動く彼を感じながら、わたしはひたすら熱い吐息と甘い声を漏らし続けた。


ときどき彼はわたしの名前を呼んで、至る所にキスをした。


なんだか本当にお別れみたいで悲しくて涙が出た。


わたしは彼の一番にはなれない。


その事実を突きつけられたみたいだった。
< 14 / 21 >

この作品をシェア

pagetop