雨玉
何度か果てた後、わたしは彼の腕の中にいた。


「俺に何か、言いたいことがある?」


わたしの髪を撫でながら、彼はそっと呟いた。


「なんで?」


「そんな感じがする。俺にはわかるよ」


わかるなら、残酷な言葉をわたしに言わせないでよ。


「ゆうくん」


彼の手を振り払って、わたしは立ち上がった。


「わたし、ずっとゆうくんのことが好きだったよ。彼女がいることも、わたしのことは好きになってくれないことも、全部全部わかってたけど、ずっと大好きだった。」


彼が顔を歪める。


酷く悲しい顔だった。
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