あなたの優しさが…
『美咲…』
お父さんも驚いていた。
私を捨てたお父さんが目の前にいる
しかも、愛美という子供を連れて…
混乱する中、お父さんの後ろから
『どうしたの、あなた』
その女性の声に目をやる
昔の優しかった時の母親に似ていたが
一つだけ違う。
お腹が大きい…妊娠…
『いや、愛美がこのお嬢さんにぶつかってしまって』
このお嬢さん…
あ…そういうこと。
お父さんの奥さんは私に謝っていたが
私には何も聞こえてこなかった。
私を捨てて、こうやって平然と生きて
幸せな家庭を築いていたなんて思ってもみなかった。
私は本当にいらない子だったんだ…
そう思ったら、倒れそうになった。
なんとか大東さんが支えてくれた。
ゆかりさんが駆け寄ってくる
そして私は意識を無くした…。