あなたの優しさが…
目を覚ましたら、部屋にいた。
自分が気を失ってしまった事、
父親に偶然会ったこと…
思い出すだけで、胸が苦しくなる。
トイレに行こうかと、部屋の扉に手をかけると、組員さんの声がした。
何かをはなしてるようで、手を止めた
『若はかなり惚れ込んでるなぁ〜』
『出会って、そんなに経ってないのに
結婚だもんなぁ』
『けどよ〜あれだったんだろ?』
『あれ?って』
『風俗嬢』
『えぇっ?マジかよ!』
『ねぇなぁー』
『これで妊娠しましたってなったら、誰の子だよってなるわ』
『お前、声でかい。若に聞かれたら殺されるぞ』
笑いながら、声は遠くなっていった。
私のことを良く思ってない組員さんがいるのは知っていた。
けど…そんなふうに思ってたなんて…
今日じゃなければ、耐えられたけど
今日は耐えられそうにないな…