あなたの優しさが…
雅樹はいつもと変わらず接してくれる。
雅樹に私の気持ちを知られたくない。
悟られないように…
妊娠も…別れも…
寝る時は必ず私を抱きしめてくれる。
これが最後…
雅樹の匂いも温もりも…温かさも。
そう思うと、涙が出そうになる。
泣いちゃダメ。
泣いたら…雅樹にバレちゃう。
けど、バレちゃうんだ…
『どうした?』
やっぱりバレた。
「ううん。雅樹が優しすぎるから…」
『なんだよ、それ』
そう言いながら笑い
早く元気になれって言う。
元気になるよって嘘をついて
眠りについた。