あなたの優しさが…
新規客
「おはようございます」
いつものように出勤。
いつものように予約を確認する。
「え?新規?」
私の声にマネージャーが反応する
『珍しいだろー頑張れよ!』
本当に珍しい。
新規なんて滅多にない。
新規だからと言って特に何もない。
いつもと変わらない。
準備をして客が待っている部屋に行く。
ドアをノックする。
無反応…まぁいいか。
「失礼致します。お待たせして申し訳ありません。ご指名ありがとうございます。翼です」
いつものように三つ指ついて
挨拶をする。…が返答がない。
顔を上げると、客はソファに座りながら
書類らしきものを見て私に気付いていなかった。