あなたの優しさが…
そんな言葉、言われたことがない。
親は簡単に私を手放したから。
目が熱くなった。
泣きそう…
この時間だけの幸せで、私は十分。
そう思ったら、私は彼の背中に手を回し顔を彼の胸に預けた。
『離す気はねぇ…一生』
彼が口にした言葉に驚き、彼を見た。
彼はフッと笑い、私の手を取り
部屋から出た。
何が何だかわからないまま待機室の前まで連れてこられた
『支度しろ。全部もってこい』
そう言い残し、フロントへ向かっていった。