あなたの優しさが…
ドアをノックする。
『はーぃ、どうぞ』
あー。この声は…常連客だ。
部屋に入り三つ指をつき
「お待たせして申し訳ありません」
「ご指名ありがとうございます。翼です」
待たせたりはしてない。
時間通り…いや、他の子たちよりは早い
それでも低姿勢でいけば客は御満悦だ。
私の1日が始まる。
客が何を考え、何を求めているか
私にはわかる。
小さい頃から、顔色、目色を伺い行動していた私だから。
御満悦な客はチップをくれる人もいる
チップはマネージャーに言うだけ。
回収される事はない。助かる。