あなたの優しさが…
部屋に入ると、シンプル。
ほぼ黒で統一されていた。
生活感がない…。
雅樹…さんらしい。
私がキョロキョロと部屋を見ていると
『こっち』
手招きされ、私は彼が座っている隣に座った。
当たり前のように手を私の腰に回した。
向かい側には、先ほどの男が
『失礼いたします』
座り、書類らしくものを出した。
もしかして、この人が説明するのかな?
何を言われるか、かなり不安だった。
けど私には選択肢がない…
『大丈夫だ』
私の不安を察知したのか、
彼は私の顔を覗き込みながら
フッと笑いながら言った。
大丈夫だ…なんて言われたことない。
彼に言われると大丈夫な気がした。