あなたの優しさが…
マンションへ着き、自分の荷物を片付け
キッチンへ行った。
大東さんが冷蔵庫に食材をうつしてくれていた。
「うわぁ…すみません、私がやります」
慌てて駆け寄ると
『大丈夫ですよ?それに美咲様に謝られたら、雅樹様に殺されます』
大東さんは真剣な顔で言うから
また笑ってしまう。
「ねぇ、大東さん。
いつもは雅樹のことが【雅樹様】って呼んでないんじゃないですか?」
「私に気を使わず、若でいいですよ」
前に見たのは、やっぱり雅樹で
若って声は大東さんだと思った。
大東さんは驚きながらも
『さすが美咲様、お気づきになられてましたか…』
「それと…美咲様もやめてください」
『いえっ、それでは雅…若に叱られてしまいます』
「嫌なんです。お願いですから…」
このやり取りが30分くらい続いた。
私も引かないが、大東さんもなかなかのツワモノだ。