あなたの優しさが…
12時40分。


雅樹の寝息が聞こえる。



雅樹を起こさないように

雅樹の腕から抜け出す。



服を着替えて、お金を持ち

家を出た。




外は少し肌寒かった。

少し大きい道まで歩き
タクシーを捕まえた。


行き先をつげ、アパートへ向かった。



話をしたところで、納得するだろうか。

けど、なんとかしなくちゃ。



アパートに着くと、女はいつものように

『美咲、金』


お金を渡すと

『いつもより多いじゃん。いつもこれくらい稼げっつーんだよ』

言い終わると、帰ろうとする。



『待って!』


不機嫌そうに振り向く


『もう お金は渡せない。』


そう言うと、女の顔はみるみる怒り出し


「誰にモノを言ってんだよ!
渡せない?お前は黙って体売って金を渡せばいいんだよ!」


本当にコレが母親なんだろうか…
そう思うと悲しくなる。


「もう働いてないから」

それを聞くと母はヒステリックになり
何を言ってるかわからない。

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