あなたの優しさが…

終始無言だった雅樹が口を開く。


『沢田…お前の悪事は知っていた。
勿論、組長もだ。ずっと見逃していた…先代と付き合いがながかったから』


『だがな。今回ばかりは度が過ぎる。
お前はやってはならねぇことまでやっちまった。
組長から言付けを預かった』


そう言うと、沢田組の組長は雅樹に目を向けた。

『沢田組は破門にする』

その言葉に組長はガックリ肩を落とした。隣で土下座をしていた男も雅樹見たまま放心状態だった。


その組長さんに大東さんが
『処分は追って連絡します。逃げてもダメですからね。…そこの女もです』


『あとはわたくしが…若、美咲様は車へ』
大東さんは、私が知っている大東さんに戻っていた。

そう言われ、雅樹と私は雅樹たちが乗ってきた車へ向かった。
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