あなたの優しさが…
試験結果
大東さんと雅樹の笑顔が見れて安心した。
そう思っていたら
お屋敷の前に停まった。
まさか…ここ?
大きな門構え。
日本庭園でもあるんじゃないかって
思うほどの広さ。
無意味に高い塀。
一歩、敷地に入れば
『おはようございます、若!』
一斉に男の人達の声がした。
ビクッと身体が反応してしまう。
雅樹は大丈夫だと、私の腰に手を回す。
雅樹に頭を下げている人たちは、桐生組の人達のだよね…。
みんな綺麗なスーツに決まった髪型。
母が連れてきていた沢田組のヤクザとは全然違う。
玄関に入ると、40代ぐらいの人が立っていた。
『若、おはようございます。姐さんがお待ちです』
そう言い、部屋まで案内してくれた。
そして、部屋の前で止まる。
雅樹は私を見た。
「大丈夫だよ」
私は雅樹に笑顔で答えた