あなたの優しさが…
私はゆかりさんに和菓子屋さんの最中を渡した。
『うふふ。美咲ちゃんなら買ってくると思っていたわ』
雅樹のお母さんは、すでに私に近づいていたのか…気がつかなかった。
どうだったんだろ…私。
『美咲ちゃんには悪いんだけど…』
あ…やっぱり、雅樹の側にはいられないのかな…
『美咲ちゃんの過去、調べたの』
やっぱり…
こんな女じゃダメだよね。
普通、嫌だよ…。
『辛い思いしたね…けど、もう大丈夫』
思いもよらない言葉に、ゆかりさんを見た。
ゆかりさんの目は雅樹と同じで優しい目だった。
『美咲ちゃん、今日からここに住みなさい』
その言葉に更に驚く。
いや…私以上に驚いていたのは雅樹だった。