あなたの優しさが…
荷物を持ち、家を出た。
そしてお別れを言いに近所のおばぁちゃんに会いに行った。
おばぁちゃんは私を見てびっくりしていた。
おばぁちゃんの話だと
父は挨拶にきたから
私も一緒に引っ越すものだと思ったらしい。
おばぁちゃんは中学卒業するまで
暮らそうと言ってくれた。
おばぁちゃんには家族がいない。
親戚もいない。
おばぁちゃんの優しさが
痛いくらい嬉しくて
声をあげながら泣いた。
1年半、おばぁちゃんに色んなことを
教わった。おばぁちゃんは変わらず優しかった。
人の優しさを感じたのは
おばぁちゃんが最後だった。