あなたの優しさが…
部屋に戻ると
『美咲…おいで』
雅樹の横に座ると、抱き寄せられ
私の目を離さない…
毎日一緒にいるのに、ドキドキする。
『俺と結婚してください』
一瞬、固まる私に
『ま…拒否権はねーけど』
そう言うと、小さな箱を渡された。
これって…
恐る恐る開けてみると
「ゆび…わ」
『もっと石がでかぃやつがよかったんだけど、大東に反対された』
そう笑う。
私がダイヤが大きい指輪をしている想像がつかないって。
それに、私がつけたがらないだろうって。
大東さんも私のこと理解してれてると思うと嬉しい。
雅樹からの指輪はシンプルだけど
ダイヤがちりばめられていて、とても輝いていた。
それでもつけるには勿体無いって思ってしまう。
『貸して』
そう言うと雅樹は指輪を私の左の薬指にはめてくれた。
「あ…ありがとぅ…」
驚きと幸せすぎて、それしか言えなかった。
私は私を抱きしめ
『離さねえ…一生』
雅樹の声が、少しだけチカラがこもった声だった。