私と君の足跡
私が幼稚園生だったとき

私のあだ名は「メガネ」でした。

その通り、私は眼鏡をかけていました。
そのせいでからかわれたり眼鏡を取られて隠されることも多々ありました
でも私はひねくれた子なので
悲しくもないし悔しくもなかったのを
はっきり覚えています。

ただ、
「バカの相手したらバカになる」
くらいにしか思っていませんでした。

『おい、メガネ!
こっち来るな!』

『汚いのがうつる』


確かに私の家は母子家庭で貧しかった
だけど毎日お風呂にも入ったし
ちゃんと歯も磨いてたし
洋服だって毎日洗濯していました

私はなぜ
『汚い』
と言われるのかが理解できませんでした

「なんで?」

と尋ねても

『うわっ、喋った!!!
菌が飛ぶ』

『消毒しようぜ!』

こんな言葉でしか返事は返ってきませんでした

『死んじゃえ』

なんて言葉も返ってきました


その頃からだったと思います

私は声を出して話をすることはなくなりました


今の歳に、なってしまえばそんなに気にすることはなかったと思います

でも
あの頃の小さかった私の心には
『汚い』『死んじゃえ』『菌』
という言葉は深く深く刺さりました



そしてそのまま私は小学生になります
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