華麗なる安部里奈
お嬢様の悪戯
「そんな事よりさぁ……この前言ってた事……やってみようよ」
私はニヤリといやらしい笑顔を浮かべながらテッちゃんの耳に両手を当て、自分の顔を近づけて内緒話をするようにして言った。
「この前言ってた事って……まさか、あれの事か? 危ないからやらないほうが良いって言ったろ」
テッちゃんは心配そうな顔で答える。
「大丈夫だよぉ! 羽のところにしっかり掴まってれば絶対に大丈夫!」
「水が出てるから、滑るかもしれないし」
「大丈夫だって!」
私がこの時言っていた"この前言ってた事"というのは、今にすれば実にばかげた事だ。それは、"屋敷の庭にある噴水の噴出口にある女神像に上り、像の背中の上に立つ"という、ものだった。
しかし、当時の私にとっては、とても大きな冒険のように思えて、数日前から計画を立てていた。
ちょうど、当時の私くらいの身長の子供が女神像のお尻の辺りに足をかけ、背中の所にある羽の部分を手で持つと、女神像の台座の所に上れそうな感じだった。
私はニヤリといやらしい笑顔を浮かべながらテッちゃんの耳に両手を当て、自分の顔を近づけて内緒話をするようにして言った。
「この前言ってた事って……まさか、あれの事か? 危ないからやらないほうが良いって言ったろ」
テッちゃんは心配そうな顔で答える。
「大丈夫だよぉ! 羽のところにしっかり掴まってれば絶対に大丈夫!」
「水が出てるから、滑るかもしれないし」
「大丈夫だって!」
私がこの時言っていた"この前言ってた事"というのは、今にすれば実にばかげた事だ。それは、"屋敷の庭にある噴水の噴出口にある女神像に上り、像の背中の上に立つ"という、ものだった。
しかし、当時の私にとっては、とても大きな冒険のように思えて、数日前から計画を立てていた。
ちょうど、当時の私くらいの身長の子供が女神像のお尻の辺りに足をかけ、背中の所にある羽の部分を手で持つと、女神像の台座の所に上れそうな感じだった。