華麗なる安部里奈

私は半開きだったテッちゃん達の部屋のドアを無理やり押し開いて、そのままズカズカとテッちゃんの部屋に入り込む。

「しょうがないなぁ、里奈は……」

テッちゃんは呆れたように呟く。



これまでにも、私は何度もテッちゃんの部屋に上がりこんでいたので、テッちゃんにとっては"いつもの事"という感じなのだろう。

テッちゃん達が住んでいる部屋は、中にまた扉があって２部屋に分かれており、トイレやお風呂も設置されていて、台所もちゃんとしたものがあった。

まだ正十郎は仕事中だし、テッちゃんのお母さんである律子さんも買い物に行っているそうで、部屋にはテッちゃんとアッちゃんしか居なかった。