華麗なる安部里奈

私としては、正十郎とも家族の一員ような感じで接していたし、正十郎が居てもあまり気にせずに遊んでいたのだが、

「私や哲也や敦也と、お嬢様では身分が違うのです」

というような話を、正十郎が話し出した。




「だから、一緒に友達のように遊ぶといっても、やはり限度があります。特に、お嬢様が、私達家族の部屋を訪ねてくるというのは、あまりよろしい事ではありません」

「なんで？」


「お嬢様はこのお屋敷全てが、お嬢様のおうちなのです。なにも、私達家族の部屋だけで遊ぶ必要はありません」

「いいじゃん、テッちゃん達と一緒に遊びたいんだもん」


「それはべつに構いませんが、やはり一緒に遊んだりするのであれば、お嬢様のお部屋か他のお屋敷のお部屋に、哲也達を招いて頂くという形がよろしいかと思います」