華麗なる安部里奈
雅楽坂公園に着くと、既にヒロキ君とツヨシ君が待っていた。２人は公園から同じ方向に住んでいて、２人で家の近くで待ち合わせをして、この公園に来ているらしい。


「哲也、安部さん、遅かったな」

ヒロキ君が私達に声をかけてくる。


「悪い、作戦会議してたからさ」

テッちゃんは笑いながら答えた。


「はは、やる気満々だな、テッちゃん」

ツヨシ君は私と同じように、テッちゃんの事をテッちゃんと呼ぶ。私は初めてその事を知った時、私以外の人がテッちゃんの事をテッちゃんと呼ぶのがなんだか嫌で、あまり嬉しくなかったし、できれば違う呼び方をしてほしいと思っていた。


「安部さんは水鉄砲持ってきたの？」

ヒロキ君が聞いてきた。


「ううん、持ってないからテッちゃんの借りる」

「ははは、そっか。お嬢様だし水鉄砲なんか持ってないか」

ヒロキ君は楽しそうに笑う。


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