華麗なる安部里奈
「それで、これからどうしたの良いの?」

「あぁ、ちっょと待ってて」


そう言うと、テッちゃんは私達から離れていったヒロキ君とツヨシ君のほうを見る。

ここから数十メートル離れた公園の反対側のほうに2人は居る。2人も、あちら側にあった水飲み場の所で水鉄砲に水を入れて、対決に備えているようだ。

そして、自分達のほうを見たテッちゃんの様子を確認すると、ヒロキ君が体で大きく「OK」というようなポーズをした。



「よし、スタートだ」

テッちゃんは気合を入れてそう言った。



「スタートって、私はどうすれば……」

初めての経験に私は戸惑った。


「とにかく、俺の後に着いてこい」

「は、はい……」

テッちゃんはそう言うと、姿勢を低くしたまま、小走りでヒロキ君達の居る方向へ走り出す。私はテッちゃんの後を同じく、姿勢を低くして小走りで着いていく。



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