華麗なる安部里奈
「ねぇ、テッちゃん待ってよ!」

「待ってられない、早く来い」

テッちゃんはもう戦闘モードのようだ。



「ちっ、ヒロキ達のやつ。あの辺りに隠れたな」

テッちゃんはそういうと、置いてあるベンチの後ろへ身を屈めた。私もその後ろで身を屈める。

「あの辺りって?」

「柵の奥だよ。木とか草がある辺り。あのへんに隠れてるはず」

たしかに、公園の中央付近には2人の姿がないし、ジャングルジムやブランコといった遊具の周辺をよく見てみても、2人は居ない。恐らくテッちゃんの言うとおり、木や草で見えにくい所に2人は移動したのだろう。



「どうするの? 私達はここで大丈夫なの?」

「俺らも木に隠れながら進むぞ」


「うん、分かった」

私とテッちゃんはベンチの裏から木があるほうへと移動を始める。




すると、私達のすぐそばにいきなりヒロキ君とツヨシ君が現れた。

「しまった!?」

テッちゃんが声をあげる。


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