華麗なる安部里奈
「たぶん……水が……無くなったんだな」

びしょ濡れになった自分の顔を左手で拭きながら、テッちゃんが言った。



「あぁ、そっか」

「水を補給し終わったらまた来るはずだ」


「ど、どうしよう?」

私は圧倒的な戦闘力の差に戸惑い、どうしたら良いか分からなくなる。


「とりあえず、俺らも水を補給だ」

「はいっ!」

私は急いで水飲み場のほうへと走る。



テッちゃんは濡れた服を絞ったり、リュックに入っていたタオルで髪の毛を拭いたりしている。私には言わないが、これだけ濡れたのだから、相当ダメージは大きいはずだ。

テッちゃんがダメージを回復している間に、私は水の補給を始める。早く補給して、次の襲撃に備えなければ!

さきほどの襲撃を受けた場所付近に居るテッちゃんから離れた私は、1人水飲み場で水鉄砲に給水をする。



すると、その時……


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