華麗なる安部里奈
「テッちゃん、やめてっ。お願い！」

私はそう言うと、テッちゃんとツヨシ君の間に入ろうとヒロキ君の横に並ぶ。



すると、私の顔が視界に入ったせいか、テッちゃんは少しずつ冷静になっていった。

「里奈はな、怪我をしたらお父さんに怒られてもう遊べなくなっちゃうかもしれないんだ。だから、気をつけてくれよ」

テッちゃんは改めて、私の事をツヨシ君に話してくれた。そんな話を聞いたからか、ツヨシ君のほうも冷静になり、２人の喧嘩は収まった。




「テッちゃん、俺達が悪かったよ。これからは気をつける、ごめんな」

ツヨシ君がそう言うと、テッちゃんは斜め下のほうを見て、

「いや、分かってくれれば良いんだよ。こっちこそ怒鳴ってごめん」

とツヨシ君に謝った。



そんな２人の様子を見て、「良かったな」というような感じで私の顔を見るヒロキ君。とりあえず、その日は水鉄砲の遊びをやめて、また４人一緒に公園で他の遊びをし、そのまま夕方前には解散となった。

「じゃ、哲也。また明日な。安部さんは、また来週ね」

ヒロキ君が言う。


「うん、また来週よろしくね、ヒロキ君、ツヨシ君」

私は２人に手を振って挨拶をした。


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