初めてを君と。
「ありがとうございます!刺繍なんて初めてしてたので、よくよく見たら雑なんですよ。」

「大丈夫よー!そういう、努力がすごいから」

私が苦笑いで言うと、山野先生は豪快に肩を叩いて笑った。

山野先生はサバサバとした雰囲気で、とても気さくな人だと思った。見た目は若いし、化粧をしていないであろう素肌はとても綺麗。
きちんと、手入れがしてあるのが分かる。

「初めての実習だから、前に聞いてると思うけど、1歳児クラスに入ってもらうね。
あ、香織先生、ちょうどよかった!今日から入る実習生の嘉手納さん。お願いね。」

「おはようございます。嘉手納クレアです。よろしくお願いします。」

「松本香織です。りんご組の主担任してます。よろしくね。」

小柄だけど、ハキハキとした印象の香織先生は私を見て、上から下えと視線を動かしてまじまじと見てくる。

「あ、あの……」

「ごめん、ごめん。あまりに、綺麗だからつい見つめちゃった」

ペロッと舌をだして照れ笑いをし香織先生の仕草が可愛くて、思わず笑ってしまった。

「でも、保育士じゃなくてモデルとかになれそうよね!ほんと、神は二物も三物もあたえるのねー。羨ましいー!」



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