初めてを君と。
朝礼が終わって、1日が始まる。
午前中は制作をして遊び、子どもたちが作ったものをお昼寝の間に壁面に貼っていく。
たった二週間なのに寂しくて、子どもたちの寝顔を見て目が潤んだ。
最後の一枚を貼り終えると、友美先生からお茶の声がかかった。
今日は山野先生も一緒にお茶をするらしく、すでに座って待っていた。
「クレア先生、二週間お疲れ様。
初めての実習、どぉやった?」
山野先生が、カップを机に置いて私に向き直った。
「初めてで、緊張もあったんですけど、
毎日子どもと遊んで、大人の目線と子どもの目線の違いに驚いたり、たった二週間のうちに出来なかった事が出来るようになったり…
本当に勉強になった二週間でした。」
私が考えながら話すと、三人の先生は優しく微笑んで頷いてくれた。
「ほんま、クレア先生は保育士にむいてると思う。よう気が利くし、努力家やし、子どもの事、良く見てる。」
「香織が毎日褒めてたよ。卒業したらうちに来てほしいって。」
「え、あ、ありがとうございます。」
あまりの褒めようになんだかくすぐったい。
「クレア先生の人気はほんまに凄かったですからね。保護者からの人気も。」
友美先生がからかうように言う。
それからは山野先生の子どもの話しや、香織先生と友美先生の彼氏の話とか、色んな話をして過ごした。