初めてを君と。


夕方になり、色んなクラスの子どもたちがお別れの挨拶をしに来てくれた。
嬉しくて思わずウルウルしてしまったけど、
笑顔で手を振って帰っていく子どもたちに、私も精一杯の笑顔を向けた。


実習終わりの時間になり、香織先生から声がかかった。

「クレア先生、二週間お疲れ様。
クレア先生が明るくて、ホンマにええこやから、毎日楽しかったし、指導も力入ってしまって、キツイ事言った事もあったけど、許してな。来年もまた待ってるからね」

「ありがとうございます。本当にありがとうございました」

「クレア先生、私も来年待ってるからね。」

香織先生と友美先生からの言葉が嬉しくて、私らとうとう涙がポロポロと溢れた。

「何で泣くんー!」

香織先生が慌ててタオルを顔にあててくれた

「すみません、嬉しくて。」

鼻声で言う私を見て、先生たちは優しく微笑んだ。

「これ、来年つけてきてな。」

そう言って、香織先生から可愛くラッピングされた袋を渡された。

「え??ありがとうございます。」

私はびっくりして袋を、まじまじと見つめた。
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