初めてを君と。
私はひとつの決心をした。

夢は掴むためあると教えてもらった。

中途半端な自分じゃ、今届きそうな夢は逃げていくかもしれない。
タイミングは間違ってはいけない。



夜遅く、ダンスの練習が終わって家に帰ってから、沖縄に住む両親に電話をかけた。


夜遅くの電話にママは驚いていたけど…

私の気持ちを聞いて反対したパパ。

でも、私の気持ちを汲んでくれて最後には納得してくれた。

『自分で決めたのだから、真っ直ぐ前だけをみて進みなさい。振り返らないで。』

電話を切る前にママから言われた。

売れるまでは沖縄にも帰らない。
そう約束した。


学校を辞める。

仲間の誰一人にも相談せずに決めたことで、反感をかうかもしれないけど、一緒に学祭へは出れないかもしれないけど、、、

それでも前を向かなくちゃいけない。


翌朝、私はマネージャーと社長に電話をかけた。

二人とも驚いていたけれど、それならと、すぐに東京へ出てくるように言われた。
学祭の事や仲間の事があるから、東京へ行くのは一週間後にしてもらって、
学校に退学届けを提出した。


その足で駅前に行くと、皆が練習しているのが見えた。
今から伝える事が怖い。仲間を失うかもしれないことが。でも私から離れていくのだから、恨まれても仕方がないのかもしれない。

そんな不安な思いのまま、みんなの元に近づいた。

「あれ?くーちゃんレッスンは?」

一番さきに気が付いた真くんが不思議そうな顔をしていて、その声に皆が私の存在に気づく。
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