初めてを君と。
皆と最後の練習をした。

たった5か月間だけしか一緒にいることはできなかったけど、もうずっと一緒にいるような、そんな仲間。

一生親友だと思える人達に出会えて、この学校にきてよかったと心から思うし、少しでも一緒にダンスができて良かった。



それからの一週間、学校の先生に挨拶に行ったり、バイトを辞めたり、引っ越しの準備をしたり、あっという間に時間がすぎて、
とうとう、明日は出発の日。

この一週間、晴輝くんからはラインも電話も来なかった。
気になって駅前にこっそり見に行ったけど、
そこに晴輝くんの姿はなかった。


明日、みんなが見送りに来てくれる事になってるけど、晴輝くんは来ないかもしれない。


来てくれるはず。そう信じたい気持ちと、

来ないかもしれないという、寂しい気持ち。


一歩踏み出す私にとっては、来ないほうがいいのかもしれない。
その方が、諦めがつく。晴輝くんにとって、私はどうでもいい存在なのだと思えるから。

結局気持ちは伝えられなかったけど、

それは、それで良かったんだと思う。


東京へ行けば忘れられる。
考える暇なんてないくらいにダンスと歌を練習しよう。

すぐに忘れられなくても、
時間が忘れさせてくれる。
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