初めてを君と。
私はボーッと宮前くんを見つめながら、そんな事を、思った。


ーーーーガチャっ。
教室のドアが開き、講師の先生達が入ってきた。
それと同時に自分の席へと座る。

皆が、席に着いたのを確認すると、
講師の中でも一番偉い先生が話始めた。

「これからピアノのテストを開始します。
曲目は入学試験で弾いて頂いた曲目です。楽譜は見てもかまいません。
それでは出席順にお願いします。」

その言葉を聞いて、一番の子から前に出る。
発表会のような感じで、皆の前で演奏をする。
ピアノと生徒席が近いこともあって、
演奏者の緊張がこちらにも伝わってくる。

毎回テストの時はこのスタイルでするらしい。


入学式であんなに私を誉めてくれた茜も、咲もすごく上手だった。

恵理は保育士を目指してから、習い始めたらしい。

グループの発表は明日。
次の授業から各グループで行われる。


この学校は特に音楽に力をいれていて、
音楽の授業だけで、ピアノ、幼児音楽、声楽、リトミックがある。

この中の一つでも落としたら進級できないらしい。
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