初めてを君と。
「なぁ、クレア。自分に正直にならなあかんで。こんなチャンス何度もくるもんとちゃうし。保育士になりたいって夢はうちらも同じやから、気持ち分かるけど、ダンスや歌やってるクレアはホンマ輝いてんで。
クレアにしか、できへんことやと思う。」

茜が真剣な眼差しで私に言う。

咲と恵理も私の様子を伺うように頷いている。


本当は、佐藤さんの言葉に気持ちが揺れた。
保育士なりたい、
だけどダンスや歌もやりたい。

でも、怖い……

そんなチャンスを掴めるのが一握りなことは私だって分かる。

でも、もし私がスカウトをうけたら、
あの子たちはどう思うだろう。

みんなの気持ちを、降りきって大阪にきたのに。。。

私が一人、心挫けてしまったばかりに、

チームはバラバラになった。

デビューすることを夢に、みんなで頑張っていたのに。。。

「なぁ、くーちゃん、
そんなに嫌がるのって、何か訳があるん?」

真くんが優しく微笑んでくれた。

嫌がる訳か…

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