初めてを君と。
東京を拠点にして、四人でコンテストや大会に出よう。売り込みしようって。

私も東京に行きたかった。
仲間とダンスをしたかった。

でも、辞めた二人に偶然街中で会った時に言われたんだ。

「私たちからダンスする意欲を奪っておいて、世界中が感動するダンスがしたいとか、笑わせんな」って。

「ずっとクレアの事が嫌いだった。
ダンスも歌も上手くて、容姿だって非の打ち所がなくって。その上運まで味方につけてる。
一緒にいたら、自分が情けなくて、ちっぽけに見えて、自信がなくなっていく。
一緒にいたのは、クレアと仲のがよければ目立つし、みんなの目に止まるから。みんなそう思ってるよ。」って。

それを聞いて、四人で東京に行こうって言われた気持ちが信じれなくなった。

友達だと思っていた子が、本当は自分のことが嫌いだった。

自分だけが、仲間だと思っていたんだって思ったら、虚しさも悲しさも一気に押し寄せてきた。

だから、東京へは行かなかった。

三人は私が頑なに一緒に行かないと言ったから、その理由が知りたいと食いさがってきた。

辞めた二人に会って言われた事を伝えると、
すごく、すごく、悲しい顔をされた

私たちはそんな気持ちで一緒にいた訳じゃないって。
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