初めてを君と。
私の話を聞いた後、少し気まずそうな顔をした真くんが、私の様子を伺いながら話し出した

「くーちゃん、晴輝の気持ちは晴輝にしか分からん。あいつ、無口やからさすがの俺にも好きな女の話はしたことないねん。
でも、神埼さんな、あの子は俺らと同じ高校やってん。晴輝とあの子は3年間一緒のクラスで、しかも晴輝が生徒会長であの子が書記やった」

だから、仲がいいんだ。

でもあのまなざし…


「生徒会も二年間一緒やったからかな。高校の時もよう一緒におったから。。。

ごめんな、こんな話辛いだけやんな。」

真くんは申し訳なさそうに呟いた。


「ううん、ありがとう。何で仲がいいのか分かっただけでも、少しはスッキリした。
私が知る前から、二人は出会ってたんやね。」

私の知らない、高校生の晴輝くん。

それを神埼さんはずっと隣で見てきたんやね。





その日の放課後だった。

辛い日には、辛い事が重なるのかもしれない。

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