初めてを君と。
今日はバイトの日

店の中から、私達がいつも練習している場所が見えた。

今日は晴輝くんだけが練習をしていて、
バイト中も気になってしょっちゅう、駅の方をみてしまう。


お客さんの引きが早くていつもより、早く上がらせてもらえたから、
私は少しでも練習をしようと、駅前に向かった。
そこにはまだ、練習している晴輝くんの姿があった。


「晴輝くん、お疲れ様!」

私は店で帰りにテイクアウトしたアイスコーヒーを、手渡した。

ダンスを辞めて、コーヒーを受け取った晴輝くんは全身汗だく。

「すごい汗だね。」

「あぁ。メンズの曲やってたから。」

そっけない返事に、会話が続かない。


結局無言になってしまって、
手持ち無沙汰になった私は、鞄からiPodを出して練習する準備を始めた。


ふいに隣から肩を捕まれて、
驚いて肩を竦めた。

振り替えると、真剣な目をした晴輝くんの瞳に見つめられる。
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