初めてを君と。
「同じクラスの神埼やねんけど。俺高校一緒でさ。」


うん、知ってる。

知ってるよ。

そんな、優しい顔して言わなくても知ってる。


「明日、神埼の誕生日でさ、
放課後にプレゼント渡して気持ち伝えようと思ってんねんけど、
それ、どう思う??大丈夫やと思う?」


嬉しそうに話す晴輝の言葉が、どこか遠くに聞こえる。


泣いちゃダメ。

泣いちゃダメだよ。


「明日、誕生日なんだ。プレゼント用意して告白って、素敵だね!頑張ってね?
私、応援してる!
私たち、チームの仲間だからさ!!!!!」

私は一気に捲し立てるように言った。

「ほんま?よかった。ありがと。
俺、明日頑張ってくるわ。
放課後、悪いけど練習休むな。」

手を顔の前で合わせてすまなそうな表情を浮かべる晴輝くん。

「うん、分かった。
結果、報告してよね??
他の皆にはこの話、内緒にしとくからさ!」
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