年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
ご飯を食べ終わると、大輔くんはクローゼットをごそごそして、Tシャツとスウェットのズボンを取り出した。

「パジャマがわりに着てください。ちゃんと洗ってあるんで。バスルームも、使い方、わかんなかったら聞いてください」

お風呂場に続くドアを開けながら、脱衣カゴの中にバスタオルと一緒に置いた。

走ったせいでうっすらと汗をかいて、もう引いてはいたけれどなんとなく気持ち悪かったので、シャワーを借りられるのは有難かった。

大輔くんは至って普通に話していて、そういうこと、を意識して少し緊張しているのはきっと、私だけなんだろう。


シャワーを浴びて手早く体と髪を洗って、借りた服に着替える。
下着も替えたいけど、コンビニで大輔くんが支払うカゴに下着をいれるのはさすがに恥ずかしくて、買えなかった。まあきっと披露する事態にはならないと思うので、我慢しよう。


大輔くんの服からはうちと違う柔軟剤の香りがして、これも彼の香りを構成する成分の一つだろう、となんだかどきどきした。

置いてあったシャンプーやボディソープの香りもうちとは違って、Tシャツの袖に顔をうずめて全部が混ざった香りを吸い込んだ。

……この行動は変態くさいか、と我に返って顔をあげる。
< 101 / 462 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop